6月23日

 警察署で四時間の取調べを受けた。

 パトカーで警察署に着いた時、僕の一件を受け持つ課の調室がいっぱいだったため、三階にある生活安全課の二号調室にいれられた。手錠は一度もかけられなかったけれど、移動する時はきまって鈍臭い顔をした小太りの警官が僕の背後にピッタリとついて、僕が履いている短パンのウエスト部分をがっちりと握っていた。

取調がはじまって一時間ほど経った頃、二号調室のそばでちょっとした騒ぎがあった。生活安全課のフロアの一角に突然、蛇が現れたのだ。調室のドアは開いていたけれど、僕が座っている場所からは何も見えなかった。ただ複数の男女の悲鳴や笑い声、机や椅子を動かす音、なにか硬い物を何度も床に打ちつける音などが折り重なって響いていた。しばらくして、顔に卑猥な笑みを浮かべたひとりの男が蛇のはいったゴミ袋を掲げながら、部屋の前を横切っていった。

 僕はいま、コインランドリーのベンチに座ってこの日記を書いている。時刻は一時三十分を回ったところだ。夕方に乾燥機にかけたままでいた服やタオルはまだすこし湿っていた。乾燥機の蓋を閉めて三百円を投入し、三十分回した。それもだいぶ前に終わっている。明日は八時半から二十時までダイレクトメールの封入の仕事がある。とにかく疲れた。頭がひどく重い。